2013年1月10日木曜日

私が世界に!すすめる本

iPad授業で、今回出た課題は「世界に紹介したい本を3つ選び、ブログで紹介する」。

で,私が選んだのはこちら。

○宮澤賢治「貝の火」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/1942_42611.html

宮澤賢治の童話の中でも短いものです。宮澤賢治の仏教思想が美しく表現されていると思います。はじめて読んだときは,結末の意味がわかりませんでした。大人になって読んだときには,この結末しかない,と思いました。自分の心の変化(成長?)を実感した一編です。
音の響きも美しいので,音読してみると楽しいかも。

○西岡常一「木のいのち木のこころ」1995年 草思社

図書館の所蔵箇所:本館2階東閲覧室 
請求記号:526.18||Ni||1

著者は法隆寺の宮大工。1000年の時を越えて伝承されてきたものを,後世に伝えていくのだという著者の矜持が伝わります。日本のものづくりはどのように継承されてきたのか,そして今何が忘れられようとしているのか,ということを考えさせられる本です。聞き書きなので,話が重複する部分もありますが,読みやすい本です。

○柳瀬尚紀「日本語ほど面白いものはない」2010年 新潮社

図書館の所蔵箇所:本館3階東閲覧室 
請求記号:810.4||Ya

言葉を自在にあやつる翻訳者が小学生に授業をしたときの実践記録。子どもはよいものを得れば驚くほど伸びる,ということがよくわかります。楽しんで学ぶ,という日本の教育で忘れられがちなことが,見事に実践されています。読んでいると自分も参加したくなります。



授業では紹介しませんでしたが,こちらを追加。

○吉村仁著 ; 石森愛彦絵 「素数ゼミの謎」2005年 文芸春秋

図書館の所蔵箇所:本館2階東閲覧室 
請求記号:486.5||Yo

絵本のような本ですが,もとは立派な学術論文です。アメリカで周期的に大発生するセミの謎を追及した研究をわかりやすく解説しています。数学と生物学のリンクが面白くて,ワクワクします。こんな研究をしたのが日本人だ,ということが面白かったので推薦。

3 件のコメント:

  1. 柳瀬尚紀さんの「日本語ほど面白いものはない」に興味を持ったので読んでみました。この本を読んで、あらためて言葉のすばらしさを感じました。また、邑智小学校の子供たちの純粋で好奇心旺盛な姿にとても感銘を受けました。僕が一番気に入ったフレーズは126ページの1、2行目の「「読書というのは、想を思い切り浮世の外に馳せ、精神を未知の世界に遊ばせたり、人生観を・・・時間の束縛を受けることなく本を読むこと」」です。この言葉をきくとわくわくした気持ちになります。これからは、この言葉を思い出しながら読書をしようと思います。

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  2. 『木のいのち 木のこころ』(西岡常一)を読みました。
    この作品は、大工の職業とする作者が、大工としての心構え、家を建てる為に木をどう見抜くか、選ぶかなどを作者自身が語り手となり自身の歩んで来た人生を辿りながら伝える作品です。
    昔はおじいさんが家を建てたらそのとき木を植えましたな。この家は二百年は持つやろ、今木を植えておいたら二百年後に家を建てるときにちょうどいいやろといいましてな。二百年、三百年という時間の感覚がありましたのや。今の人にそんな時間の感覚がありますかいな。もう目先のことばかり。
    気は本来きちんと使い、きちんと植えさえすれば、ずっと使える資源なんでっせ。本来木の持っている性質を使って、無駄なく使ってやる。木を生かす。無駄にしない。
    この方法ではあかん、こないしたらどうやろ、やっぱりあかん、どないしたらいいんや。そうやってさまざまに悩みますやろし、そも中で考えますな。これが教育というもんやないんですかいな。
    私は合気道をやっていますが、この文章を読んで何か腑に落ちるものがありました。技を覚えるにしても稽古をするにしても、どうすれば無駄な動きを無くし綺麗に技をかける、剣を振れるようになるのだろうと試行錯誤していました。
    この作品は、私達の身の回りに起こっている日常にも繋がるものがあり、忘れかけていたことなどに気付かせてくれるものだと思いました。

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  3. 宮沢賢治の「貝の火」を読みました。
    表現の仕方がとても気に入りました。
    冒頭のホモイの「鈴蘭なんかまるでパリパリだ」というところが印象的で、「まるで」と言った後に「パリパリ」と擬音で表現しているところにホモイの幼さやかわいさを感じました。
    作品の間に出てくる童話ならでわ(?)のオノマトペで文末は「ですます」調の固い印象なのに柔らかい印象をうけました。
    ホモイははじめ怖がりだけどとても勇気のある兎だったけれど貝の火を手に入れて、気持ちが大きくなってしまった。お母さんが注意をするけれど「大丈夫ですよ。」と言うばかりで、自分を顧みることがなかった。最終的に貝の火の輝きを失いホモイは自分の視力を失ってしまう。
    作品を通して、初心を忘れないこと、過信をしないこと、そして、人間というものはそれをしばしば忘れてしまうということを考えさせられました。
    ただの教訓じみたことだけではなくて、人間のちょっと汚いところまでを童話に盛り込んでいる、そこが宮沢賢治の作品の特徴であり、いいところかな…と感じました。

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